2023/7/18
1100回

基礎知識 UAVレーザ

次世代型レーザスキャナを検証

次世代型レーザスキャナを検証

 

こんにちは。

本日は新型UAVレーザスキャナ「Yellowscan Voyager」が新しく当社に仲間入りしましたのでそのスーパーぶりをレポートさせて頂こうかと思います。

 

まずは簡単にVoyagerのカタログ性能から。

公共測量マニュアルの性能標準と対比してみました。

 

もちろん公共の標準性能は全クリアです。

特に有効照射角に対するパルスレートが普及器の10倍以上⁉︎、、、mrad、マルチパルスの高規格化に加えて3方向のスキャン方式の採用ということで従来器によるUAVレーザ測量のレベルを大きく上回っている、、、はず。

ということで某所お借りして検証してみました。

 


 

現地は夏の樹木に覆われる急峻な地形に天然ダムが姿を見せています。

 

 

計測は比較のため従来の普及器(といっても高級なやつです)と併せて行ってみます。

 

【計測条件、計測状況】

VOYAGER  AGL125m  FOB100°  速度8m/s SL60% 毎秒120万点

普及器     AGL100m  FOB120°  速度5m/s SL60% 毎秒20万点相当

Voyagerの照射レートは切替可能で今回は120万点出力でのレポートになります。

 

 

【voyager計測状況】

赤線部分の断面です。

(上)VOYAGERによる計測断面(10㎝幅)

(下)普及器による計測断面(10㎝幅)

分かりやすくするため敢えて10㎝幅でスライスしています。

比較するとVoyagerが樹木下の地形を捉えているのがよく分かります。

 

1㎡あたりのオリジナル点をみるとVoyagerでは概ね3000点/㎡以上!の点群密度に。秒120万点の出力設定なのに、、。

 

 

【堤体部の計測状況】

(上)現地写真

(上)オリジナル点群にオルソを重ねたもの

(下)グランドデータ

樹木で覆われた堤体箇所や堤体側面もしっかり計測されエッジも明瞭に確認できます。堤体側面についてはRIGLEスキャナの新しい機能、三方視スキャンの強みが伺えます。

 


 

ちょっとここで質問の多いLiDARの性能表現についてVoyager視点で捕捉しておこうかと思います。

エコー数とmradについて

Voyagerのマルチパルス(エコーとかリターンとか言われたりします。)は8エコー(航空搭載時で最大15)のリターン機能を保有します。これはスキャナから照射されたパルスが通過する過程で触れた地物からのリターン数を表していてエコー数が多い程、樹木下の地形に届く可能性も高くなります。廉価器で2~3エコー、高級機で5エコーなどが一般的です。

 

 

mradはパルスの大きさを示し照射距離先でどの程度のビーム径(フットプリント)になっているのかが分かります。例えばVoyagerのmrad数値を見ると0.4mradです。ビーム径は距離によって大きくなっていきます。例えば対地125mで計測を行ったとすると50㎜が照射先でのVoyagerのビーム径です。照射数が多くmrad数値が小さい程、正確で細密な測量が可能で、求められる精度に対しては普及器と比較すると長距離(高い高度)から効率よく測量ができるということになります。

 

同じ場所なのに以前の委託会社さんよりシンプルな計測計画になったり、やたら現場が早く完了して心配もされる事が稀にあるんですが機械性能によって計画や効率性も影響されるので、決して手抜きしてるわけじゃないんです、、。決して?、、おそらく。

 

位置精度について

UAVレーザ測量器においての測量精度に大きく左右するのがIMU装置です。Voyagerが搭載するIMU装置は信頼の高いApplanix 社製のAPX-20UAVかAP+ 30 AIRの選択が可能でハイスペックな装置が組み込まれています。

 


 

検証点の状況

場所をワープしましてVoyagerの位置精度を確認するため検証点を設け、ネットワーク型RTK方式によるVRSでの計測数値と計測データとの誤差比較を行いました。

 

水平、高さで共に最大2㎝の誤差。

位置精度についても公共測量では「作業規定の準則」において標準値が示されていますが全く問題のないレベルでした。

 


3方向視のスキャンパターン!

YellowScan Voyagerはリーグル社製スキャナRIEGL VUX-120(23)を搭載し、3方向視のスキャンパターンによって建物などの構造物側面の計測性能が向上しているというのも大きなウリとなっているんです。

 

スキャンライン概念図 出典:RIGLEカタログより

 

ここでは場所を変えて建物の計測を普及器と比較してみました。

計測条件は前述時と同じ条件です。

 

(左)Voyager (右)普及器

 

点群密度もさることながら建物側面が3方向視のスキャンパターンによってしっかり計測できているのが確認できます。

 


 

最後に、、、。

今回の計測実証を通して繁茂した森林地帯においても、伐採作業を行うことなく、これまで以上に正確で精密な3D地形測量が効率よく行えること、構造物や樹木そのものの計測性能も飛躍的に向上していることが実感できました。

ビジュアルシステムズでは、計測サービス会社として、また新たな測量の形を皆様にご提案できるのではないかと考えておりますのでよろしくお願いします。

本日はここまで有難うございました。