航空写真測量 基礎知識
航空写真測量との関わり その①
こんにちは。
今回は少し趣向を変えて当社の根本にある基幹技術、航空写真測量(通称、航測)について触れさせて頂こうかと思います。
航測は文字通り、航空機から撮影された写真を利用して地形や地物の測量を行う技術です。一昔前は専用の航空用フィルム(1辺21cmくらい?あったかと思います。少し古い記憶になってしまいました、、)で撮影した写真をおそらく想像以上に大きなアナログ図化機にかけて地形図やオルソ写真地図が作成されていました。
90年代、社会全体がデジタル化にシフトする中で航測業界もカメラは小型化、フィルムはデータへと形すら無くなり、図化機もデジタル図化機なるスマートなものに。
比較的皆さんに馴染みのオルソ写真図も航測技術が使われています。中心投影で撮影された写真の歪みにDEMや図化機で得られた高さ情報等を与えて地図と同じ投影(正射投影)に補正する事で写真地図として利用できるようになります。
身近なところでGoogleMapの空中写真もオルソ写真図です。地図の切り替えで地図と写真画像の位置ずれが起きないのはオルソ処理をしているからというわけです。
因みに、オルソ写真図は土地や家屋の異動が空から適正に判定できるという事で固定資産課税の評価などにも使われます。評価替えは前年度の1月1日が調査基準日のため、正月に撮影が集中し、2月上旬までに膨大なオルソ処理を完了しなければならないので当社でも一年の内で一番忙しい時期にあたります。
2000年に入ってからは航空レーザやMMSといった空や車からの実測という新たな測量が活発に行われるようになり、そして現在では無人航空機の登場と、、こうしてみると航測の枠だけ捉えても技術革新が矢継ぎ早に生まれてきています、、、。
とはいうもののドローン写真測量やドローンレーザ測量の考え方や手法、特に撮影については航測とさして変わりありません。撮影した写真を標定し図化機を使用してオルソや数値地形図を作成する流れは同じです。
ただ、図化機や航空写真測量ソフトは従来の航空カメラシステムを前提に最適化された航測システムですので、現実的にはドローンで撮影した民生カメラの写真を図化機に掛けるのは像の歪みが大きくなって無理があるのは事実みたいです。当社では担当部署の奮闘にてなんとか図化機に掛かるようにはしてくれましたが皆さんどうされているのでしょう、、、、。
最後に、、
最近では画像処理技術から派生したsfmによる簡易オルソやトゥルーオルソ、3Dモデル処理技術も登場し、多く利用され始めています。
当社でもこれまでの航測技術を新技術に掛け合わせながら目的に応じた適切な技術アプローチができるように今後も励みたいと思います。
という事で本日は、航空写真測量?についてちょっとだけ触れてみました。
ありがとうございました。